不正咬合(悪い歯並び)の種類

お悩みの歯並びはどれ?

不正咬合(悪い歯並び)はいくつかのタイプに分けることができ、歯並びのタイプは皆様それぞれ異なります。ご自身やご家族の歯並びがどのタイプか、一度確認してみましょう。当院の実際の症例もご覧頂けます。

歯の凸凹、八重歯(叢生)

このような歯の凸凹が見られる歯並びは「叢生(そうせい)」と呼ばれ、八重歯や乱ぐい歯なども含まれます。
叢生は、顎(あご)の大きさと歯の大きさがアンバランスなため、歯が凸凹に生えたり、重なり合っている状態です。現代人は徐々に歯が大きくなる一方、土台となる顎が小さくなる傾向にあるため、最も多く見られる悪い歯並びの一種です。
この歯並びは見た目が悪いだけではなく、歯磨きがしづらく虫歯や歯周病を起こしやすくなります。

主訴:歯の凸凹、歯磨きがしづらい
初診時年齢:12歳 女性
動的治療期間:2年2ヵ月
治療内容;上下顎4本の小臼歯を抜歯して治療を行った症例
治療費(税別):矯正費70万円 毎回の処置料5,000円
治療におけるリスク:歯ブラシが不十分な場合に虫歯や歯肉炎。その他、歯肉退縮や歯根吸収など。

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すきっ歯(空隙歯列、正中離開)

歯と歯の間にすき間が開いている歯並び、いわゆる「すきっ歯」のことを「空隙歯列」と言います。特に上顎の前歯の間にすき間がある場合を「正中離開」と呼びます。特に見た目が気になる歯並びです。
また、息が歯の間から漏れやすいので正しい発音がしにくくなったり、食べ物が詰まりやすいこともあります。

主訴:前歯のすきっ歯が気になる。
初診時年齢:18歳 男性
動的治療期間:2年1ヵ月
治療内容:上顎前歯が生まれつき2本欠如しており、マルチブラケット装置にて治療を行った症例。
治療費(税別):矯正費70万円 毎回の処置料5,000円
治療におけるリスク:歯ブラシが不十分な場合に虫歯や歯肉炎。その他、歯肉退縮や後戻りのリスクがある。

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前歯が出ている、出っ歯(上顎前突・上下顎前突)

上の前歯あるいは上下の前歯が前方に飛び出している、いわゆる「出っ歯」のことを「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」または「上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)」と言います。
出っ歯の方は前歯で物を咬むことが難しいため、奥歯への負担が大きくなり、将来的に奥歯が欠けてしまったり、最悪の場合には歯を失う可能性もあります。飛び出した前歯はぶつけて折れる心配もあります。また、顎の発達や顎関節へ悪い影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。
他にも笑った時に歯が目立つ、口元が出ている等の外見上の問題や、唇が閉じにくいために口の中が乾燥しやすく、虫歯や歯周病、口臭の原因にもなります。

主訴:前歯が出ている。口が閉じづらい。
初診時年齢:12歳 女性
動的治療期間:3年2ヵ月
治療内容:アンカースクリューを使用し、上顎2本の小臼歯を抜歯して治療を行った症例。
治療費(税別):矯正費72万円 毎回の処置料5,000円
治療におけるリスク:歯ブラシが不十分な場合に虫歯や歯肉炎。その他、歯肉退縮や歯根吸収など。

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受け口(反対咬合、下顎前突)

口を閉じたときに下の歯列が上の歯列より前方に位置している歯並び、いわゆる「受け口」のことを、「反対咬合」や「下顎前突」と言います。上下の顎(あご)のズレが大きい場合は「顎変形症」と呼ばれ、手術を併用する外科的矯正治療を行う場合もあります。
受け口は一般的に下顎の骨が発達し過ぎて前に突き出してきたり、上顎が小さい場合に起こります。また、幼い頃の舌や口唇の悪い癖が原因になることもあります。
この歯並びは発音に影響が出て、聞き取りにくい話し方になることもあります。また、数本の前歯の反対咬合の場合は、前歯がグラついてきたり、歯ぐき(歯肉)が下がってしまうこともあります。
年齢に制限はありませんが、できるだけ早期の治療が望ましい症状です。

主訴:受け口、前歯の咬み合わせを治したい。
初診時年齢:13歳 女性
動的治療期間:2年2ヵ月
治療内容:非抜歯治療で反対咬合を治した症例。
治療費(税別):矯正費70万円 毎回の処置料5,000円
治療におけるリスク:歯ブラシが不十分な場合に虫歯や歯肉炎。その他、歯肉退縮や後戻りのリスクがある。

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前歯でものが咬めない(開咬、オープンバイト)

奥歯で咬んでいても前歯が開いていたり、一部が咬み合わず開いている状態を「開咬」「オープンバイト」と言います。
前歯でうまく物を咬み切れないために食事がしにくく、奥歯に必要以上の負担がかかるので、歯を傷めたり顎関節症の原因になることもあります。また、上下前歯の隙間から空気が漏れて正しい発音ができなかったり、リラックスした状態でも口を開けていることが多いのでドライマウスになりやすく、虫歯や歯周病、さらに口臭の原因になります。
この歯並びの方は舌の悪い癖をともなっている場合も多く、治療と並行して舌の訓練(MFT)を必要とすることが多い症状です。

主訴:前歯が咬み合わない。舌が出てくる。
初診時年齢:8歳 女児
動的治療期間:約2年
治療内容:舌の癖を直す訓練(MFT)を行いながら、装置を使用して治療を行った症例。
治療費(税別):矯正費32万円 毎回の処置料3,000~5,000円
治療におけるリスク:装置の使用時間不足や舌の訓練をしっかりと行わないと治療結果に影響が出ます。また歯ブラシが不十分な場合に虫歯や歯肉炎のリスク。

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かみ合わせが深い(過蓋咬合)

前歯が深く咬みこみ、上の前歯が覆い被さって下の前歯がほとんど見えない歯並びを「過蓋咬合(かがいこうごう)」といいます。
ひどい場合には、下の前歯が上の前歯の後ろの歯ぐきに咬み込んでいることもあり、歯ぐきを傷つけてしまいます。また、この歯並びは下顎が奥に押し込まれることが多く、顎の成長が抑制されたり、顎関節に悪影響を及ぼすこともあります。
なるべく成長が旺盛な時期に治療することが望ましい不正咬合です。時間の経過とともにますます噛み合わせが深くなっていく傾向があり、早期の治療が望まれます。

主訴:歯の凹凸とすきっ歯が気になる。
初診時年齢:15歳 女性
動的治療期間:2年1ヵ月
治療内容:上顎前歯が生まれつき2本欠如しており、歯を抜かずに深い咬み合わせを改善した症例。
治療費(税別):矯正費70万円 毎回の処置料5,000円
治療におけるリスク:歯ブラシが不十分な場合に虫歯や歯肉炎。その他、歯肉退縮や歯根吸収など。

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正中不一致、顎のずれ

大人の方で顎が上下・左右・前後に大きくずれている状態を「顎変形症(がくへんけいしょう)」といいます。これは上下の顎骨そのものの不調和に原因がある不正咬合です。顎のズレの大きい反対咬合(下顎前突)や開咬、上顎前突、顔面非対称などがあります。まだ成長期のお子様の場合は、顎のズレの程度によりますが、成長を利用し治すことも可能ですので早めに一度ご相談ください。
「顎変形症」と診断された場合、矯正治療に加えて外科手術を併用する「外科的矯正治療」を行うことで、歯並びとともに顎顔面の不調和、ズレを改善します。ズレが小さい場合には、矯正治療のみでの治療も可能ですので、正中のズレを気にされている方は一度ご相談ください。
また、外科的矯正治療には健康保険が適用されます。 外科的矯正治療については、外科的矯正治療をご覧ください。

主訴:顎が曲がっている。咬み合わせが悪い。
初診時年齢:32歳 女性
動的治療期間:1年9ヵ月
治療内容:下顎2本の小臼歯を抜歯し、外科的矯正治療を行った症例。
治療費(税別):保険適用
治療におけるリスク:矯正治療による歯肉退縮や歯根吸収などに加え、外科手術のリスクを伴う。

外科的矯正治療について

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歯が生えてこない(埋伏歯、先天性欠如)

永久歯(大人の歯)が何らかの原因で骨の中から出てこれない状態を歯の「埋伏(まいふく)」と言います。また、生まれつき永久歯がない状態を「先天性欠如」と言います。
生え変わりの時期になっても、永久歯(大人の歯)が出てこない、あるいは乳歯が抜け落ちないといった症状が見られたら注意が必要です。埋伏歯や先天性欠如歯がある可能性が考えられますので、一度ご相談ください。
また、生まれつき6本以上の歯が欠如している場合は、その治療に健康保険が適用されます。

主訴:上の前歯が出てこない(埋伏歯)
初診時年齢:7歳 男児
動的治療期間:2年4ヵ月
治療内容:出てこない前歯を外科的に露出させ、引っ張り出した症例。
治療費(税別):矯正費30万円 毎回の処置料3,000~5,000円
治療におけるリスク:埋伏歯は歯根の成長が途中で止まったり、力を加えても動かない場合もあります。

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